昆虫の巧みな暮らし
家に住むもの。
有名なものはミノムシ。
ミノは住居でもあり、服でもある。
ほかにも水生昆虫の幼虫、 ハムシ科の甲虫( 自分の糞で家を作る) 、
ヤドカリのように家を背負う者もいる。
タテハチョウ科の蝶、 ハマキガ科のガの幼虫は
葉を綴って巣を作る。
餌を待ち伏せするもの。
「 アリジゴク」と呼ばれる巣を作る
ウスバカゲロウの幼虫、ハナアブというハエの幼虫は
砂地にすり鉢状の穴を掘り、餌を待ち伏せる。
アリジゴクの中ではその幼虫は糞をしない。
消化器の中に糞を溜めておいて、飢餓の際に栄養にする。
そして、さなぎから成虫になった時に
大きな糞をひねり出して空に飛び立つのだ。
タマオシコガネは草食哺乳類の糞のにおいを嗅ぎとり、
そこに飛来し、球状の糞玉を作って遠くへ運ぶ。
玉を転がすのはオスで、玉の上でメスと出会い、
協同で玉を地下に埋め、そこに卵を産む。
タマオシコガネの幼虫はその草食哺乳類の糞玉を食べて成長する。
ほかにも糞を食べるコガネムシはたくさんおり「フンムシ」 と呼ばれる。
自然界では 重要な清掃者である。
彼らがいなければそこらじゅうが糞だらけとなってしまう。
狩りバチ の幼虫は巣で暮らす。
狩りバチは寄生バチから進化したもの。
アシナガバチスズメバチの巣は、植物の繊維を噛み砕いて
唾液で繋いだ和紙のようなものででき
幼虫には住み心地の良い空間となるのだ。
環境の変化から幼虫を守る必要があり、
その後、営巣習性が巣を協同で作る社会性へと
繋がっていったのであろう。
蟻塚。
有名なのはシロアリが作る蟻塚。
実はシロアリはアリではなく、ゴキブリの仲間である。
アリのなかでも
山アリの仲間は蟻塚を作る。
蟻塚の中は摂氏30度近くに保たれており、子育てに適した環境となっている。