サグラダ・ファミリア2
7.5メートルと17.5メートルという数字が基準となり
寸法が決められている。
柱の間隔、大きさ、高さが
それらの倍数となっている。
7.5メートルとは
カタルーニャ地方では古くから歩測で距離を測るとき
1歩分をカーニャと呼び、75センチとしてきた。
ほか、洋式軍隊が行進するときの1歩が75センチが基準とされており
その10倍となっている。
身体感覚としてより分かりやすいこの数字を選んだようだ。
ガウディは1898年から1908年にかけて
「コロニア・グエル教会の逆さ吊り実験」
というものを行った。
天井に両端を固定した糸を何本か吊り下げて
その先におもりを付けた。
懸垂曲線(重力で引っ張られることによって描かれた曲線)は
重力による引っ張り力のベクトルと一致した状態となっている。
それを180度回転させれば圧縮力のベクトルが
アーチ形状と完全に一致した状態となり
もっとも無駄のない構造となる。
コロニア・グエル教会の地下礼拝堂はこの実験を実践、
自然と調和した完璧な建物の一つである。
この実験を行ったとき
すでにサグラダ・ファミリアは建設中であったので
逆さ吊りの着想を早くから持っていたガウディは
彼が最初から関わることのできる
このコロニア・グエル教会で実践したのではないかと思われている。
逆さ吊り実験に基づく構造はサグラダ・ファミリアにも取り入れられており
内部の柱はすべてが枝分かれしている。
これは
過去の大聖堂の建築に見られたフライング・バットレスをなくしたため
大きな採光空間を得ることができるものとなった。