チンパンジーのベッドは皿形
チンパンジーのベッドはお皿形をしている。
その形には意味があるのであろう。
人は脱力状態になると
股関節や膝の関節などが軽く曲がった状態になるらしい。
レム睡眠時では骨格筋が脱力する。
チンパンジーの脱力した体を
皿形のベッドは心地よく受け止めてくれるのかもしれない。
チンパンジーは一頭ずつ眠る。
5歳くらいまでは母親と一緒に寝るが
それ以降は自分でベッドを作るのだ。
7歳のチンパンジーとその母親を観察した記録では
日中は付かず離れずで行動していた。
しかし夜になると
まず母親が自分のベッドを作りはじめ、
しばらくして子供のチンパンジーがベッドを作り始めた。
その距離は40メートルほどで
かろうじて互いが見えるくらい。
そのほかの5回の記録を見ると
その距離は平均で17メートルほどであった。
一緒のベッドでは眠らないけれど
互いに無関係というわけではなく、絶妙な距離を保っている。
チンパンジーは人類に最も近い、霊長類の一種だ。
800万年から500万年前に
ある共通祖先から分岐したと考えられている。
当時は現代人より脳の大きさは1/3ほど、
容姿も違っていた。
初期人類は木の上で生活をしていたらしい。
では、なぜ人類は地上で眠り始めたのか。
理由はよくわかっていない。
しかし
祖先がサバンナで生活を始めたことによるところが
大きいであろう。
現代では文化や社会により、多様な眠りが存在するが
チンパンジーが作るベッドに
人間の快適な眠りに対する、基本的なヒントがあるのかもしれない。