アリ植物、アブラムシとアリ
「アリ植物」
植物は、アリにすみかを提供する代わりに
ほかの昆虫からの食害を防いでもらう。
このように、アリと共生する植物をアリ植物という。
東南アジアではトウダイグサ科のオオバギ族の植物が有名である。
そのオオバギ族の大部分はシリアゲアリ族のアリと共生している。
アリは植物の茎の中を住まいとし、葉を食べる昆虫から植物を守る。
代わりに植物は、栄養体というアリ専用の餌を提供する。
アリは巣の中にカイガラムシを飼養していることが多く
カイガラムシの出す甘露も食料としている。
そのほか
アフリカのマメ科のアカシヤや南米の熱帯雨林に育つイラクサ科のケクロピア
という植物もアリに栄養体を与え、共生関係を結んでいる。
「アブラムシとアリ」
アリはアブラムシの甘露を求め集まる。
甘露は糖分のほかアミノ酵素などの栄養分を含む。
アリは甘露を食料とする一方、アブラムシを捕食者から守る。
アリとアブラムシは共生関係にある。
カイガラムシとアリも共生関係にあり、その極端なものは
ミツバアリというアリとアリノタカラというカイガラムシ。
アリは栄養分のほぼ全てをアリノタカラの甘露に依存している。
アリノタカラもミツバアリがいなければ餌も生活の場も得られない。
雌アリ(新女王) が巣を飛び立つ時には一頭のアリノタカラをくわえ
また新しい組織で共生関係を作るのだ。