大進化と大量絶滅
自然選択的現象は確かに起こっている。
米プリンストン大学の
ガラパゴス諸島のフィンチ類の観察、
英アバディーン大学による1991年の
ドミニカで行ったトカゲを
1980年代半ばで140例ほどの報告がなされている。
ただしこれらは種の分化を推進させるメカニズムであって
種ないしもっと大きな単位がどのように新しく生まれてくるのかは
未だ
前述の今西は
種は変わるべき時には一斉に変わると主張しているが
生物史上に起こった事実をそのまま述べた表現とも言える。
がしかし同様の主張で
米の古生物学者ナイルズ・エルドリッジとスティーヴン・グールドが
1972年に「断続平衡説」という進化モデルを提唱した。
これは古生物化石の発掘状況から見出した経験則で
一気に多数の
それが環境を埋めつくし平衡状態に達する安定期とが
交互にやってくるというものである。
近年の研究者の多くが進化は断続的に進行するという
結論に到達し
地球史の多くは進化が進行するのではなく
停滞する時代であ
だがしかるべき時が来れば
古い時代の生物は死ぬか衰退をし
生態系に巨大な空白がたくさんできる。
そしてそこに
新しいタイプの生物がどっと進出し、時代が変わるのだ。
だがこれは地
地質年代表を見ると
大きな時代の区切り目には常に大規模な生物相の入れ替わりが見られる。
古生代の終わりとともに
と同時に海中では大量の腕足類ルゴーサ(サンゴ)、コケムシ、
有孔虫、紡錘虫などの広範囲な無脊椎動物、
最初の水生爬虫類であるメソサウルス類、
哺乳類の祖先である様々な獣弓類などが死に絶えた。
恐竜やクビナガ竜、翼竜、モササウルスなどの大型爬虫類も
ほぼすべて絶滅した。
これを「大量絶滅」とよぶ。
大進化と大量絶滅は表裏一体であり
大量絶滅を知ることなくして進化の実相を
トータルに捉えることは