ウィルスとの戦い 2
今からおよそ1000万年前 、アフリカ大陸。
大陸を南北に縦走する大地溝帯の活動が活発化し
周囲に隆起帯が形成され
その大地溝帯の東側がサバンナとなっていった。
そのサバンナに人類の祖先が進出していく。
それまで森に生活していた環境が一変する。
大型野生動物との接触機会が増え
動物が残したふんや、ふんで汚染された水への曝露は
寄生虫への感染機会を増大させることとなった。
この時代、人に感染する寄生虫の種類は一気に広がった。
人類の祖先は大型野生動物の大規模な捕食を始める。
その結果
多くの大型野生動物が絶滅した。
しかし全ての大型野生動物が絶滅するには至らなかった。
この要因の一つに
アフリカ・トリパノソーマ症 (アフリカ眠り病 )があった。
それはトリパノソーマ原虫によって引き起こされる
人獣共通感染症である。
現在でも多くの人や家畜が感染し
多くの被害をもたらしている。
トリパノソーマ原虫は
アフリカに広く分布するツェツェバエによって媒介される。
この原虫は3億年ほど前に
他のトリパノソーマ原虫から分岐し
3500万年ほど前にツェツェバエによって
アフリカ固有の哺乳類に感染するようになった。
しかし