Oji’s 備忘録的 Diary

日々の読書からの備忘録です。

夜寝ている時に雨が降ってきたら

夜、寝ている時に雨が降ってきたら

チンパンジーはどうするか。

 

観察記録では

10分ほどベッドでじっと座ったまま、 やがて立ち上がり

幹を大きく揺すって木から降り藪の中へ向かっていった。

 

藪の向こうでは騒ぎの声がしていた。

 

これは

昼間に豪雨があった時の行動とほぼ同じだった。

 

チンパンジーは昼行性であるが

夜に全く動かないわけではない。

 

夜間に行動する昼行性の霊長類の話は何件も報告されている。

 

ゴリラやニホンザルゲラダヒヒなど

夜は眠る時間なので、昼間と同様というわけではないが

声を出したり何かものを食べたり、歩いたりするようだ。

 

チンパンジーが夜に出す音の調査によると

まずベッドグラントの音である。

 

ベッドグランドとは

ベッドを作り終えたあと、眠る前に出す

「オッオッオッオッ」

などの落ち着いた感じの声のこと。

 

夜の9時頃になると声はほとんど聞こえなくなり

夜11時頃から深夜2時頃には

パントフートと呼ばれる抑揚のある大きな声が聞かれた。

 

仲間がこの声に応じることもあり

大騒ぎとなることもある。

 

3時、4時には再び声が聞こえなくなり

朝の5時頃、パントフートの声が多くなると

そのまま朝を迎え、活動を開始する。

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では

夜に声を出すきっかけとなるのは何か。

 

それは排泄に関係があるらしい。

 

排泄音の後には

パントフートがよく聞こえてくる。

 

チンパンジーは排泄は

ベッドから尻を出して行うので、寝ぼけながらもできそうだが

ある者は目が覚めて、起きてしまうのかもしれない。

 

その時の声に仲間が呼応して騒ぎとなるのだ。

 

我々は現代、

夜に眠ると朝まで起きないのが普通のように考えられているが

産業革命以前には

夜間、一度起きて

排泄やおしゃべりをし、また眠るということが

普通のことだったようである。