大量絶滅の原因
顕生累代が始まって5億4000万年の間に
前述の5大絶滅を含め
少なくとも11回の大量絶滅が起こったとされている。
絶滅が起こらなければ次の大きな進化は起こらず
地球の生物層は古いまま持続したであろう。
生物は生息環境が変わらない限り
基本形態も生態も変わることはない。
シーラカンスなど総鱗類の魚は
古代のままである。
世間一般では、白亜紀末の大量絶滅は
巨大隕石や彗星が地球に激突したことによる
という説が知られている。
それは K-T境界層から濃度の高いイリジウムが
発見されたことによる。
イリジウムは現在、地球上にはほとんど痕跡しか残っておらず
地球誕生当初のものは
地球内部深くへ沈んだものと考えられていた。
したがって
地球外からの隕石がもたらしたものだと考えたほか、
K-T境界層から
ガラス玉、すすなどが発見され
仮説としては正しいと思われた。
だが実際は
白亜紀末の絶滅は極短期間に起こったのではなく
数十万から数百万年の時間で徐々に進行している。
もうひとつの説として
マントルプリュームの周期的浮上説がある。
キラウエア火山から噴出するエアゾールを採取し
分析したところ
地殻濃度の10万倍ものイリジウム が含まれていることが分かった。
K-T境界層を詳しく調べると
イリジウムは境界層内部ではなく
表層に降り積もっていることが判明した。
また
上下の層にも見られることが確認され、
隕石の衝突だとすると1億年に一回とされる衝突が
短期に起こったこととなる。
地球の核には 5500度にも達する
大量の熱が蓄えられている。
核の外側(外核)はゆっくりと流動し
対流運動を行っている。
この対流が
地球磁場を生み出していると考えられている。
比重の軽くなった膨大なマグマが
マントルプリュームとなり、驚異的なスピードで
マントル内部を上昇し
2000万から3000万年ののちに超巨大規模の噴火を引き起こす。
数十万年に及ぶ噴火は
地球の生態系に致命的なダメージをもたらすとされる。