アールデコの建築家
アールデコを代表する建築家の名前をあげるのは
意外に難しい。
専ら建築の内在的な探求から生まれたのではなく、
商業的、政治的な要求に応じた結果か。
服飾家具、照明器具、ポスターなどは
デザイナーを簡単にあげることができるが、
建築となると容易ではない。
フランス建築において多作性、大衆性と意匠性において
最もアールデコ的とされる建築家として
ジャンブーシェがいる。
ブーシェは少なくともパリに72棟の建築を行っている。
ただし彼の経歴ははっきりしていない。
フランク・ロイド・ライトの名が挙げられる。
彼は近代建築の巨匠とされているが
アールデコと呼んでも差し支えない。
その後プレーリーハウスと総称される多くの住宅を作り出すが
その細部の造形はまさにアールデコ的であった。
ウィーンのセセッションの中には
アールデコの先駆とも見られる造形が多い。
オットーワーグナーの生徒たちの作品は
アールデコ的なものが多く
ヨーゼフホフマンのストックレー邸は
アールデコの先駆的作品として名高い。
ユニークな作品を次々と生み出していく。
アールデコの先駆的作品としては
ホホルが1913年に完成させたプラハのヴィシュフラット地区の
三つの作品がある。