大量絶滅諸説

天体衝突説の支持者は

K-T境界層を作ったと思われる衝突の

直接的痕跡が発見されていることを重視している。

 

1989年、ユカタン半島北部の地下で確認された

チチュラブクレーターがそれに該当する。

 

直径が200キロに達し

隕石の衝突エネルギーは絶滅が起こったと想定される規模に

合致する。

 

マントルプリューム説にも物証は存在し

インドのデカン高原がそれに当たり

K-T境界を挟む前後50万年に形成された。

 

形成当時は

200万立方キロメートルの溶岩が噴出したとされ

同時に

大量の二酸化炭素や硫酸ガス、窒素酸化物、

イリジウムなどが放出された。

 

大量絶滅では

海進と海退、海洋の無酸素化が起こる。

 

これは

海域でのマントルプリュームの上昇により

地形が変化することで説明できる。

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そのほか

ペルム紀末、三畳紀後期、白亜紀末それぞれの絶滅前で

磁場の消失が起こっている。

 

大量絶滅が終わる頃に

磁場の逆転が始まっていることも分かっている。


磁場は外核の対流によって起こり

対流は外角の上下の温度差で起こる。

 

マントル基底部がドロドロに溶けて

熱的キャパシティがいっぱいになれば対流は止まり

地場も消失する。

 

マグマが上昇すれば

対流も復活するということである。

 

近年、絶滅には周期性があることも分かった。

 

この周期性は

マントルプリューム説で

ある程度説明することができる。

 

絶滅周期を

宇宙的現象で捉える説、

彗星シャワーによるという説

もあるが、決め手に乏しい。

 

そのほかには、超新星爆発による影響。

太陽系の近くで爆発が起こったとすると

膨大な放射線が地球に降り注ぎ

生物を絶滅に追い込むであろう。

 

放射性炭素を調べた結果

マンモスの絶滅は

超新星の爆発によると思われることが分かった。

 

哺乳類は

酸素をより効率よく利用するために進化していった。

 

鳥類、恐竜なども

哺乳類とは違う方法で効率的な呼吸法を取得した。

 

大量絶滅は生物の進化に大きく関わってきた。

これからも長期的に繰り返されるのか。

詳しくはこれからの研究に委ねられる。

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大量絶滅の原因

顕生累代が始まって5億4000万年の間に

前述の5大絶滅を含め

少なくとも11回の大量絶滅が起こったとされている。

 

絶滅が起こらなければ次の大きな進化は起こらず

地球の生物層は古いまま持続したであろう。

 

生物は生息環境が変わらない限り

基本形態も生態も変わることはない。

 

シーラカンスなど総鱗類の魚は

古代のままである。

 

世間一般では、白亜紀末の大量絶滅は

巨大隕石や彗星が地球に激突したことによる

という説が知られている。

 

それは K-T境界層から濃度の高いイリジウム

発見されたことによる。

 

イリジウムは現在、地球上にはほとんど痕跡しか残っておらず

地球誕生当初のものは

地球内部深くへ沈んだものと考えられていた。

 

したがって

地球外からの隕石がもたらしたものだと考えたほか、

K-T境界層から

ガラス玉、すすなどが発見され

仮説としては正しいと思われた。

 

だが実際は

白亜紀末の絶滅は極短期間に起こったのではなく

数十万から数百万年の時間で徐々に進行している。


もうひとつの説として

マントルプリュームの周期的浮上説がある。

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キラウエア火山から噴出するエアゾールを採取し

分析したところ

地殻濃度の10万倍ものイリジウム が含まれていることが分かった。

 

K-T境界層を詳しく調べると

イリジウムは境界層内部ではなく

表層に降り積もっていることが判明した。

また

上下の層にも見られることが確認され、

隕石の衝突だとすると1億年に一回とされる衝突が

短期に起こったこととなる。

 

地球の核には 5500度にも達する

大量の熱が蓄えられている。

 

核の外側(外核)はゆっくりと流動し

対流運動を行っている。

 

この対流が

地球磁場を生み出していると考えられている。

 

マントル基底部が外核の熱によってドロドロに溶け

比重の軽くなった膨大なマグマが

マントルプリュームとなり、驚異的なスピードで

マントル内部を上昇し

2000万から3000万年ののちに超巨大規模の噴火を引き起こす。

 

数十万年に及ぶ噴火は

地球の生態系に致命的なダメージをもたらすとされる。

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白亜紀の大量絶滅

中生代三畳紀ジュラ紀白亜紀に分けられる。

 

白亜紀は約1億4550万年前から6550万年前までの間。

ジュラ紀を通じパンゲアは地球唯一の大陸としてあり続け

恐竜たちは歩いてどこまでも分布を広げ繁栄した。

 

陸上では恐竜が生態系の上位を独占していたが

海洋は

魚竜、首長竜、魚類および無脊椎動物の支配領域だった。

 

ジュラ紀の終わり頃

パンゲアはいくつかの大陸に分裂し始めた。

 

白亜紀の後期になると各大陸の孤立は強まり

気候条件に地域差がはっきりと出てきて

恐竜の多様性も高まっている。

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白亜紀後期のカンパニア期後期に

恐竜の繁栄は絶頂に達する。

 

白亜紀の絶滅は

白亜紀末の大量絶滅の前に何度か絶滅を繰り返し

段階的に進行した絶滅の

最終段階に過ぎない。

 

この頃、地球レベルでの高温化、

海洋では無酸素事変が起こっている。

 

恐竜の絶滅も

イメージ的には巨大隕石により短期的に起こった

と思われているが

実際はカンパニア期以降に漸減傾向に移り

白亜紀末の30万年で急減、そのまま絶滅に至るのだ。

 

白亜紀の大量絶滅規模としては

海洋生物は

属レベルで47%、種レベルで76%。

アンモナイトはここで消滅、

陸上では全ての恐竜および翼竜のほか

哺乳類の22科のうち5科、

海生のワニ、

鳥ではサカアシチョウ類、 ヘスペロルニス類が絶滅した。

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三畳紀の大量絶滅

三畳紀ペルム紀に形成されたパンゲアがそのまま維持され

全般的に温暖な環境で始まった。

2億5100万年前から19980万年前までの約5100年間で

三畳紀末の絶滅は

古生代から続いた古い獣動物の系統をほぼ一掃した。

 

三畳紀の絶滅の始まりは 最後の期、

レート期(2億3600万年-1億9980万年前)初頭からの

300万から400万年間とすることが多いが

実はずっと前から

魚竜、爬虫類、アンモナイト棘皮動物の絶滅が認められ

小刻みな絶滅の連続であった。

 

絶滅のピークに先立って

海洋では海退と気候の悪化、無酸素、事変が

世界的に起こっていたようだ。

 

これに伴い

多くのグループが甚大な被害を受けた。

この時

カンブリア紀以降、連綿と続いてきたコノドントの系統は

完全に姿を消した。

 

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陸上では三畳紀後半、恐竜が急速に勢力を伸ばしつつあり

10メートルを超える植物食の古竜脚類

8メートルを超える肉食恐竜などが出現していた。

ただこの時代はまだ爬虫類、哺乳類型爬虫類と共存していた。


しかし

三畳紀末の環境悪化により爬虫類、哺乳類型爬虫類は大打撃を受け

のちにこの変化を乗り切った恐竜が勢力を広げていく。

 

絶滅のレベルは海洋生物で

属レベルが53%

種のレベルで80%、

地上はデータが乏しいが

種レベルで50%は下らないであろう。

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ペルム紀の大量絶滅

カンブリア紀から始まった古生代

2億9100万年続いたのち、

ペルム紀の終わりとともに幕を閉じる。

 

この時

古生代を代表する全ての系統は

地球史上最大の絶滅によって除去され

爬虫類が地球生態系の頂点を独占する中生代が始まる。

 

ペルム紀デボン紀ののち

石炭紀を挟んで2億9900万年前に始まり

2億5100万年前に終わった。

 

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この時代、各大陸は赤道をまたいで

一個の超大陸を形成する。

 

これが地球史上3番目の超大陸パンゲア」である。

 

ペルム紀後半には

東側に口を開けた馬蹄形の超大陸

唯一の大洋「パンサラッサ」だけができあがった。

 

気候は温暖で

陸上では哺乳類と爬虫類が大発展を遂げ

海洋では硬骨魚類

デボン紀を生き延びたアンモナイトが大繁栄を遂げる。

 

ペルム紀末に地球を襲った環境変動は

極めて広範囲で複合的なもの。

よって、大量絶滅も地球史上最大となった。

 

ただ、規模が大きいだけに

始まりと終わりを特定するのは困難である。

 

海洋においては海退が起こり

赤道付近で起きた地殻変動により

海水の脱塩化が進む。

 

さらに「海水無酸素事変」と呼ばれる、

海水から酸素がなくなってしまう現象が起こり
古生代の海洋生物は事実上

根こそぎに近い壊滅的打撃を受けた。


陸上では現生哺乳類の祖先にあたる「哺乳類型爬虫類」が

大きな影響を受けた。

この大量絶滅で絶滅した海洋生物は

属レベルで82%、

種レベルで95%といわれている。

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デボン紀の大量絶滅

デボン紀オルドビス紀終了後

シルル紀を挟み、4億1600万年前から3億5920万年前まで

およそ5700万年にわたって続いた。

 

デボン紀は「魚の時代」である。

デボン紀初期には石灰化した骨格を持つ初めての

本格的脊椎動物、原生の魚の大半を占める、

硬骨魚類が登場した。

 

硬骨魚類の3大グループである条鱗類、

総鱗類および肺魚類が出現し

板皮類の魚とともに大繁栄を遂げた。

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デボン紀後期には

陸水系に進出した総鱗類の一部から

鱗を手足に変え、陸上に進出する

最初の両生類が進化している。

 

また史上最初の本格的な「木」の森林が

内陸部に向け広がり

六脚類(昆虫)を含む多くの陸上節足動物

姿を現した。

 

デボン紀の大量絶滅の特徴は

海洋生物の上に

より強く現れ、陸上生物については顕著ではない。

 

地球全体が寒冷化し、

温かい海を好む生物が被害を受けた絶滅のピークは

デボン紀と次の石炭紀の境目ではなく

デボン紀後期のフラスヌ期とファメン期の間に起こっており

F/F境界絶滅と呼ぶ人もいる。

 

1982年に発表された統計では

全海洋生物の科の21%、属の50%が絶滅、

のちの発表では

種のレベルで83%が消滅したというデータもある。

 

陸生生物についてはデータが少ないが

大量絶滅の影響を受けていることは確かである。

 

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オルドビス紀の大量絶滅

顕生累代以降、

「紀」や「代」のように大きな区分において

大きな生物層の入れ替わり、

大量絶滅およびそれに続く適応放散が起きている。

 

これまでに何回、大量絶滅が起きているか。

 

1986年、シカゴ大のデヴィッド・ジャヴロンスキーが

最も規模の大きな絶滅の5つを「5大絶滅」と指摘し

今日に至るまでこれが定説とされている。

 

「5大絶滅」のうち最も早いのが

古代オルドビス紀末に起こったもの。

 

オルドビス紀は4億8830万年前から4億4370万年前まで

およそ4500年続いた。

 

オルドビス紀が始まる前、

カンブリア紀に海洋に多様な生物が出現した。

 

オルドビス紀になると

新たな主役が次々と登場し、半索動物の「筆石」は爆発的に繁栄、

オウムガイ類も殻長が数メートルに達するものも登場した。

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サンゴ類が初めて登場、硬い装甲で覆われた魚類も

徐々に勢力を伸ばしていった。

 

オルドビス紀の絶滅は二度起きているが

いずれも海退により海が干上がったことが大きいとされる。

 

オルドビス紀のうち、とりわけ化石の量が多いのは

筆石、コノドント三葉虫、腕足類で

浅い海を好む種である。

 

この絶滅では

これまで確認された全海生生成物の属の60%、

推定される総合的な属の85%

が絶滅したとされる。